これまで使用していたカメラメーカーから別のメーカーに乗り換えた際などに、いままで使っていたメーカーのレンズを他のメーカーのカメラボディに接続できるマウントアダプターはレンズ資産の有効活用ができるとして注目を集めていますが、メーカーの垣根を越えるこのような製品は日本の正規カメラメーカー・レンズメーカーから発売されている例はわずか(SIGMAのMC-11など)にすぎず、大部分は中華製の怪しい製品を使うことになる。動作状況などはまったく信頼できないため購入すべきかどうか悩んでいる人も多いと思われますので、当方が使用・確認できた範囲で動作状況をお伝えいたします。
当記事ではNikon FマウントのレンズをSONY Eマウントのボディに電子接点をも接続できるというCommliteのCM-ENF-E1 PROの動作確認テスト結果をまとめてみました。「その1」ではNikon純正の18-200F3.5-5.6VRU、および24-120F4でのテスト結果をまとめています。
▲CM-ENF-E1 PROを介しSONY α6500とNikkor18-200を接続した様子
電子接点を有するマウントアダプターの役割は大きく2つあり、1つはフォーカスの制御、そしてもう1つは絞りの制御。SIGMAでCANONマウントをSONYマウントに変換するMC-11が発売されているのにNIKONマウントに変換する製品が出ない理由に、NIKONのレンズは絞りの制御が難しいというのがあるようです。したがって、そのあたりを重点的に検証する必要があります。
まずはAF-S DX Nikkor 18-200mmF3.5-5.6G ED VRUについて下記動画をご覧ください
動画でも述べていますが、このレンズとの組み合わせでは、意外なことにワイド側の18mmでピントが合いません。少し伸ばして22mmくらいで合わせてからフォーカスロックして18mmにして撮影する感じとなり、手間がかかります。
一方でテレ側200mmではF8等に絞った際、適正露出より暗くなります。そのため0.7段くらいプラス補正が必要となります。ワイド側では適正で撮れるのに望遠にすればするほど暗くなり200mmで0.7段くらいズレる感じです。途中の70mmとかを使う場合はさらに中間の0.3段くらいの補正が必要となり、そのあたりに気を使わねばならないためあまりオート露出の恩恵は受けられない感じ。
Nikonのレンズは機械式の絞りのため、F3.5-5.6のようにズームによって絞りが変わるタイプのものには、マウントアダプターが最適な絞りの開き具合を調整できないのでしょうね…。
▲CM-ENF-E1 PROを介しSONY α6500とNikkor24-120を接続した様子
比較のためズームよって絞りの変化しない24-120mmF4Gでのテストの様子も次の動画でご覧ください。
こちらの24-120F4Gのレンズとは非常に相性が良いようで、AFも機敏ですし、ズーム全域で露出も正確です。
今回は両レンズともAF-SでテストをしてAF-Cでは行っておりません。純正のレンズに比べるとフォーカスの速度は遅いですのでAF-Cでの撮影には期待しないほうがいいと思います。
| α6500 + CM-ENF-E1 PRO + AF-S DX Nikkor 18-200F3.5-5.6G ED VRU | ||
|---|---|---|
| 焦点距離 | フォーカス(AF-S) | 絞り制御 |
| 18mm | 合わない | ほぼ適正 |
| 22mm | OK | ほぼ適正 |
| 35mm | OK | ほぼ適正 |
| 70mm | OK | アンダー(0.3段くらい) |
| 130mm | OK | アンダー(0.5段くらい) |
| 200mm | 合わない時もある | アンダー(0.7段くらい) |
| α6500 + CM-ENF-E1 PRO + AF-S Nikkor 24-120F4G ED VR | ||
|---|---|---|
| 焦点距離 | フォーカス(AF-S) | 絞り制御 |
| 24mm | OK | ほぼ適正 |
| 50mm | OK | ほぼ適正 |
| 70mm | OK | ほぼ適正 |
| 120mm | OK | ほぼ適正 |
次に、動画はありませんがAF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mm f/4.5-5.6G IF-EDを接続してテストしてみました。
▲CM-ENF-E1 PROを介しSONY α6500とNikkor70-300F4-5.6Gを接続した様子
このレンズでの結果ですが、AFは無反応でした。無反応ならMFに切り替えれば・・・と思い操作しましたが↓
▲Nikkor70-300F4-5.6Gを接続したとき、MFが選択できません
▲Nikkor70-300F4-5.6Gを接続したとき、MFが選択できません
MFが選択できませんでした。まぁAF-SかAF-Cを選択し手でピントを合わせてフォーカスロックボタンを押ししながらシャッターを押せば撮影はできる(絞りは正常に作動し適正露出にはなる)のですが、オートフォーカスできないのならこの電子接点付マウントアダプターを使用する意味は全くないですね。ということで、中にはこのように全く使えないレンズもあります。
| α6500 + CM-ENF-E1 PRO + AF-S VR Zoom-Nikkor 70-300mmF4.5-5.6G IF-ED | ||
|---|---|---|
| 焦点距離 | フォーカス(AF-S) | 絞り制御 |
| 70mm | 作動せず | 適正 |
| 300mm | 作動せず | 適正 |
NikonからSONYに乗り換え、NikonのレンズはたくさんあるけどSONYのレンズはまだ十分に揃えられない、という状況下であれば助けになるマウントアダプターだといえるでしょう。「その2」ではSIGMAのFマウントレンズでのテスト結果をお伝えいたします。

